訪問介護に向いてる人・向いていない人の特徴13選!
「訪問介護の仕事がしたいけど、向いてる人ってどのような特徴があるの?」
いざ訪問介護の仕事を始めようと思っても、「自分に向いているのだろうか?」と不安がありますよね。
訪問介護は、介護が必要な高齢者の自宅を訪問して、1対1で介護サービスを提供する仕事です。
自宅によって臨機応変な対応が求められるうえ、一人ひとりの利用者と真摯に向き合える気持ちがなければ、決して長くは続けられません。
そこで今回「みーつけあ」は、訪問介護に向いてる人・向いていない人の特徴を13点ほどピックアップしました。
また、訪問介護の仕事内容や必要な資格、よく聞く質問についても紹介します。
訪問介護の向き不向きを理解して、自分に合った仕事かどうかを見極めましょう。
1.訪問介護に向いてる人の特徴8選
訪問介護に向いてる人には、どのようなスキルや性格が求められるのでしょうか。
まず始めに、訪問介護の向いてる人の特徴について8つほど紹介します。
今回ピックアップした特徴は、以下のとおりです。
- 臨機応変に考えられる人
- 責任感が強い人
- 判断能力が高い人
- 一人ひとりと向き合える人
- 細かい変化に気づける人
- 健康で体力がある人
- 失敗を恐れない人
- 人が好きな人
もちろん、これらの特徴はあくまで傾向の話です。
当てはまらなかったからといって、訪問介護の仕事ができないわけではありません。
一つの目安として、参考にしてください。
それぞれの特徴について、詳しく紹介します。
(1)臨機応変に考えられる人
訪問介護は施設介護と異なり、介護環境が常に整っているとは限りません。
なぜなら、介護を行うのは利用者の自宅内だからです。
施設であれば、介護用品が揃っていたり、緊急時には在籍中のスタッフや責任者が助けてくれたりするでしょう。
しかし、訪問介護の現場では、全て自分自身で考えて、状況に応じた対応が求められます。
もちろん、最初からいきなり一人きりで仕事を任せられるケースは極稀です。
少しずつ現場に慣れていき、的確な判断ができるようになれる人は、訪問介護に向いてる人といえるでしょう。
(2)責任感が強い人
訪問介護サービスは、人の命を扱う仕事です。
自分が利用者のために判断して行動したことには、責任を持つ必要があります。
仕事関係者に見られていないからといって、「介護用具を忘れたから適当に済ませよう」「利用者の態度が気に入らないから雑にしてやろう」といった軽率な対応は、事業所からの信頼を失うでしょう。
当然、利用者にも見透かされるはずです。
監視されていなくても、責任感を持って仕事と向き合える人であれば、訪問介護の仕事に向いています。
(3)判断能力が高い人
訪問介護の現場では、臨機応変な対応さえできればよいというわけではありません。
問題が発生したのであれば、勝手な判断で行動をするのではなく、必ず責任者に「報告・連絡・相談」をしましょう。
とくに責任感が強すぎる人の場合、「私が何とかしなくちゃ」と勝手な判断をしてしまいがちです。
ときには慎重になり、トラブルや緊急事態に適切な判断ができることも訪問介護には欠かせない能力となります。
(4)一人ひとりと向き合える人
訪問介護を利用する要介護者は、一人ひとりが全く異なる人間です。
そのため、一人ひとりの希望に沿った介護サービスを提供できる人も、訪問介護員に向いてる人といえるでしょう。
たとえば、会話が好きな利用者さんであれば、話を聞きながら反応をしてあげたり、あまり話すことが得意ではない人であれば、積極的に声をかけてあげたりなど。
ときには相手の気持ちを察して、気の利いた対応が求められるときもあります。
(5)細かい変化に気づける人
利用者の体調や気分など、細かい変化に気づいてあげられる人は訪問介護に向いています。
利用者のなかには、「本当はもっと〇〇してほしいのに」という気持ちを、素直に口にできない人もいるでしょう。
このような隠れたニーズに気づいてあげることができれば、より利用者に満足してもらえます。
仮に気づきにくいとしても、積極的に「〇〇はどうでしたか?」と確認をすれば、解決できる問題の幅が広がるかもしれません。
(6)健康で体力がある人
訪問介護員として働くのであれば、健康で体力があることも重要となります。
なぜなら、訪問介護の仕事は利用者の体を1人で支えながら行う仕事が多いからです。
1日に何件も訪問する場合には、足腰の負担が大きくなります。
また、利用者の自宅を移動するだけでも体力は奪われてしまうでしょう。
疲れきった顔で介護をしていては、利用者にもネガティブな気持ちが移ってしまいかねません。
自身の体調には常に気を配り、いつでも元気で明るく接することができる人は、訪問介護の現場に向いています。
(7)失敗を恐れない人
ある程度訪問介護の現場に慣れたら、基本的には1人で介護サービスを行います。
そのため、経験すればするほど、さまざまな失敗をたった1人で重ねることになるはずです。
その都度「また失敗した。もう利用者さんに合わせる顔がない」と悩んでいては、精神的に持ちません。
常に失敗した原因や対処方法を考えて、「次はもっとうまくやろう」という向上心を維持できる人なら、事業所や利用者の人たちから信頼してもらえるでしょう。
(8)人が好きな人
訪問介護を長く続けたいのであれば、「人が好き」という気持ちが大切になります。
たとえ気分を害するような態度を取られたとしても「利用者さんもうまくいかなくて辛いはず」と、常に相手を敬える心のゆとりが必要だからです。
ちょっとしたことで「この人とはもう分かち合えない」と、理解を示す前から突き放してしまうような心構えでは、介護業界で長く活躍し続けるのは難しいでしょう。
2.訪問介護に向いていない人の特徴5選
訪問介護に向いてる人の特徴について、理解は深められたでしょうか。
なかには、「訪問介護に向いていない人の特徴も知りたい」と思った人もいるでしょう。
そこで、ここからは訪問介護に向いていない人の特徴について5つの項目を挙げてみました。
- イライラしやすい人
- 仕事が適当な人
- 責任感がない人
- 効率重視な人
- 他人と触れ合うことが嫌いな人
訪問介護に向いてる人の特徴を踏まえて理解すれば、より自己分析しやすくなるでしょう。
それぞれについて、詳しく紹介します。
(1)イライラしやすい人
訪問介護に向いていない人の特徴として、最も多く聞かれる特徴が「イライラしやすい人」です。
訪問介護の事業所で何百人もの訪問介護員の面接を対応してきた採用担当さんのAさんは、「気が短くて、感情をコントロールできない人はほとんど辞めている」と話しています。
利用者のなかには、認知症によって暴言や暴力を振るってしまう人もいるでしょう。
そのようなときにこそ、冷静になって相手の意思を尊重できなくては、訪問介護員として務まりません。
力で対抗してしまうタイプの人は、介護業界の仕事は不向きです。
(2)仕事が適当な人
訪問介護の仕事は、サービス提供時間が決まっています。
そのため、時間内に予定されている介護サービスを丁寧に提供しなければいけません。
時間制限があるからと仕事を適当に済ませてしまっては、利用者やその家族からの評価も悪くなるでしょう。
時間管理をしつつ、手際よく丁寧な仕事ができない人には不向きな仕事です。
(3)責任感がない人
責任感がない人は、仕事に対するモチベーションが低いため、自分に都合が悪いことは人任せにしてしまう傾向があるでしょう。
訪問介護の現場においては、自身が提供したサービスに責任が持てない人は、必ず事業所や利用者に迷惑をかけてしまいます。
自身の判断や行動に責任が持てない人であれば、介護業界は向いていません。
(4)効率重視な人
効率よく介護サービスを提供することは、とても大事なことです。
しかし、仕事効率ばかりを重視してしまい、利用者への「思いやり」が欠けてしまっている人は、訪問介護に向いているとは言えません。
利用者は、自分のペースと向き合ってくれる介護を望んでいます。
それなのに、「仕事ですから」と相手の気持ちを尊重できない態度を続けていては、素直に感謝してもらえる介護サービスは提供できないでしょう。
(5)他人と触れ合うことが嫌いな人
人によっては、他人との触れ合いに抵抗がある人もいるでしょう。
そのような場合、訪問介護員として仕事を続けていくことは難しいです。
なぜなら、利用者に直接触れなければいけない「入浴介助、排泄介助」といった仕事があるからです。
実際に仕事を行ったヘルパーさんのなかには「手に汚物がついてから仕事が嫌になった」という人も少なくありません。
他人と触れ合うことが嫌いな人にとっては、続けられる仕事ではないでしょう。
3.訪問介護の仕事内容とは?
「訪問介護の仕事に向いてる人の特徴はわかったけど、実際の仕事内容についても把握しておきたい」
訪問介護に向いてる人の特徴を理解した人のなかには、仕事がしてみたいと思った人もいたのではないでしょうか。
ここからは、訪問介護の仕事内容についても紹介します。
主な仕事内容は、大きく分けて以下の3つです。
- 身体介護
- 生活援助
- 通院介助
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
(1)身体介護
利用者の体に直接触れて行う介護サービスを、「身体介護」といいます。
仕事内容は、主に以下のとおりです。
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 服薬介助
- 着替え介助
- 体位変換介助
- おむつ交換 など
介護資格の一つとなっている「実務者研修」を修了した訪問介護員であれば、「たんの吸引・経管栄養」といった医療ケアを行うこともできます。
(2)生活援助
利用者に直接触れずに身の回りのサポートを行う介護サービスを、「生活援助」といいます。
仕事内容は、主に以下のとおりです。
- 調理
- 洗濯
- 掃除
- 買い物代行
- 薬の受け取り など
買い物代行サービスは、あくまで生活に不可欠な日用品の買い物が中心となります。
そのため、お酒・タバコなどの嗜好品はサービス対象外です。
また、生活援助を行えるのは、利用者の身の回りのお世話に限られます。
家族分の食事の準備や、利用者が使用していない部屋の掃除は行なえません。
▼訪問介護員ができること・できないことに関しては、以下の記事が参考になります。
>>訪問ヘルパーのサービス内容とは?できること・できないことをまとめて紹介
(3)通院介助
利用者の通院における、乗降車や移動介助を行う介護サービスを、「通院介助」といいます。
訪問介護員が自ら車を運転して、利用者を病院まで連れていくことが仕事です。
その後の歩行、受診手続きなども、必要に応じて介助する場合があります。
4.訪問介護員として働くには
訪問介護員として働くには、介護資格が必要です。
生活援助であれば、介護資格がなくても行えますが、身体介護を行うには必ず介護資格を取得しなければなりません。
ここでは、訪問介護員が目指すべき代表的な介護資格を、3つ紹介します。
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
それぞれの資格について、詳しく見ていきましょう。
資格1.介護職員初任者研修
訪問介護員として働くための、入門資格として知られているのが「介護職員初任者研修」です。
訪問介護員として活躍したいのであれば、最初に取るべき資格といえるでしょう。
しかし、資格を取得するには、約130時間の講義と演習を受講しなければいけません。
講義・演習を修了後、1時間ほどの修了試験が行われます。
試験内容は各スクールによって異なりますが、一般的には選択問題30問、記述問題が2問です。
短ければ1ヶ月半、通常なら3ヶ月〜4ヶ月ほどの期間で、修了することができます。
▼さらに詳しく知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
>>訪問ヘルパーに必要な資格とは?初任者研修など徹底解説
資格2.実務者研修
実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格です。
より専門的な知識や、医療的ケアに関する技術を学ぶことができます。
研修内容は、20科目で450時間です。もし介護職員初任者研修を修了しているのであれば、介護職員初任者研修で学んだ130時間分は免除できます。
また、実務者研修には、介護職員初任者研修のような修了試験はありません。
代わりに、スクールによっては学習内容の確認として、試験を行っている場合があります。
試験がないからといって、研修を怠けないようにしましょう。
資格3.介護福祉士
「介護福祉士」は、介護資格で唯一の国家資格です。
社会的認知度や信頼性が高く、転職や就職には有効な実績となります。
介護福祉士の国家試験を受験するには、「実務者研修」の修了しており、実務経験が3年以上なければなりません。
介護のスペシャリストとして、リーダー的立場で仕事をしていきたいと考えている人は、介護福祉士を目指しましょう。
▼資格の取り方についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もご参考ください。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
5.訪問介護員と登録ヘルパーの違い
訪問介護員としての働き方には、正社員やパート・アルバイトとして雇用される以外にも、「登録ヘルパー」という働き方があることをご存知でしょうか。
正社員やパート・アルバイトの場合、定時に事業所へ出勤してから、退勤までの間に訪問介護の仕事を行います。
一方、登録ヘルパーの場合は、出退勤という概念がありません。
自身が働きたい時間帯を所属する事業所に申請して、利用者とマッチングした時間帯のみ働くことができます。
たとえば、昼間の13時から17時だけ働きたいのであれば、13時から1時間の生活援助、16時から1時間の身体介護といったように、自宅から利用者宅へ直行直帰の働き方が可能です。
ただし、仕事が入るのは利用者の希望する時間とマッチングした場合に限られます。
思い通りに仕事が入らず、収入が安定しないといったデメリットがある点に注意しましょう。
▼詳しくは、以下の記事も参考になります。
>>登録ヘルパーとパートの違いとは?働き方や時給の違いを徹底比較!
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
6.訪問介護が向いてる人に関するQ&A
最後に、訪問介護が向いてる人に関連したQ&Aを紹介します。
たとえ訪問介護に向いてる人の特徴に当てはまっていたとしても、仕事面で不安を抱えている人も多いです。
今回ピックアップした質問は、以下の3つとなります。
- 料理が苦手でも訪問介護員は務まりますか?
- 人見知りでも訪問介護はできますか?
- 訪問介護を辞めたい理由は何が多いですか?
より深い悩みに関しても把握して、実際に働く場合のイメージを固めておきましょう。
Q1.料理が苦手でも訪問介護員は務まりますか?
A.料理が苦手でも訪問介護を続けている先輩がたくさんいます。
料理が得意であることに越したことはありませんが、それ以上に重要なのは利用者さんとコミュニケーションを取れるということです。
いくら美味しい料理が作れても、利用者さんの好みに合わせられなかったり、意思の疎通ができなかったりすれば、決して満足はしてもらえないでしょう。
人には必ず得意不得意があり、料理だけでなく掃除が苦手なヘルパーさんも存在します。
まずはサービス責任者に相談をして、料理の少ない現場に回せないかを確認してみましょう。
状況次第では、身体介護を中心に仕事を振ってもらえる場合があります。
▼「少しでも上達したい」ということであれば、以下の記事も参考にしてみてください。
>>介護ヘルパーは料理スキルが必要?料理を作るポイントや注意点まとめ
Q2.人見知りでも訪問介護はできますか?
A.話を聞いてあげるだけで喜んでくれる利用者さんがいるので、安心してください。
コミュニケーション能力が高いほうが、介護現場で有利なのは事実です。
しかし、コミュニケーションが得意だからといって、仕事の手が止まってしまったり、余計なお世話をしてしまったりしてしまっては、業務に支障があります。
仕事に集中しつつ、利用者さんの話に耳を傾ける気配りさえできれば、人見知りでも十分に活躍ができる仕事です。
Q3.訪問介護を辞めたい理由は何が多いですか?
A.収入が不安定、仕事が辛い、ストレスがたまるなどを筆頭にさまざまな理由があります。
訪問介護の仕事は、決して簡単な仕事ではありません。
「きつい、汚い、危険」という3Kのイメージや、労働内容と給料が釣り合わないといった理由で退職する人が多いようです。
口コミとしては、以下のような声が挙げられます。
入院、入所、死去などで、仕事の内容、時間、量、場所などが不安定。
癖のある方、暴言、汚部屋、うるさい家族など、ストレスがたまる
一件ずつ、移動するのがすごく大変。
利用者はヘルパーを家政婦だと思っている。
しかし、このような現場でも仕事を続けられている訪問介護員からは、「やりがいがある」や「感謝されることが嬉しい」といった声も多くなっています。
以下のように、いくつかのよい口コミも引用してみました。
利用者さんと会話が楽しい。色々な人生観に触れられる。
上司、先輩などから見張られてるプレッシャーがないので落ち着いてケアに集中出来る。
お客様に喜んで貰え、素敵な笑顔に会える。
登録だと、時間の融通がきく。
サセキ社員だと、サービスの合間に休憩が取れる
まさに一長一短ではありますが、「高齢者の役に立てる仕事がしたい」と思っている人であれば、訪問介護に挑戦してみるとよいでしょう。
▼訪問介護を辞めたい理由に関する人気記事はこちらから
>>登録ヘルパーを辞めたい理由まとめ|辞める前に考えるべきこと
まとめ:訪問介護に向いてる人はお世話を楽しめる人!
訪問介護は、要介護者が自立した生活が送れるように手助けをする仕事です。
利用者の立場になって、思いやりを持って働ける人であれば向いているでしょう。
何より、利用者の介護を心から楽しむことが、訪問介護として長く続けるコツです。
慣れるまでは不安の多い仕事ですが、高齢者のお世話が好きな人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。