訪問介護の給料は平均どれくらい?移動時間や給料が上がる条件についても紹介
「訪問介護の給料はどれくらいもらえるの?」
「給料を上げるにはどうしたらよいの?」
これから訪問介護の仕事をしてみたい人にとって、自分の住んでいる地域の給料相場や、全国的な平均給料は気になるポイントですよね。
訪問介護の給料は、取得している資格や地域によって待遇や手当てが異なります。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護の給料について雇用形態別、全国平均別にデータを集計してみました。
さらに、給料を上げる方法についても紹介します。
訪問介護の給料相場を把握して、転職や就職に役立ててください。
1.訪問介護の平均給料を雇用形態別に比較
まず始めに、訪問介護の雇用形態別の給料について紹介します。
訪問介護の雇用形態は、大きく分けて「正社員、パート・アルバイト、登録ヘルパー」の3つです。
それぞれの勤務時間や給料の違いを表にまとめると、以下のようになります。
上記を踏まえたうえで、厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考に、それぞれの平均給料について見ていきましょう。
なお訪問介護の給料は、「基本給と諸手当」という形が一般的です。
諸手当は、「通勤手当、残業手当、資格手当、介護職員処遇改善手当、住宅手当」などが挙げられます。
これらの手当ては、事業所によってもさまざまです。あくまでの平均給料として参考にしてください。
正社員(月給・常勤)の平均給料
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、正社員(月給・常勤)の給料は「287,880円〜325,550円」です。
年収としてみると、約345万円〜390万円になります。
また、諸手当を除いた基本給は、「182,260円」です。
正社員は月収として手取り額が決まっているため、比較的に収入が安定しているといえるでしょう。
パート・アルバイト・登録ヘルパーの平均給料
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、非常勤の給料は「112,500円」です。
年収としてみると、135万円となります。
また、みーつけあが独自に調査した結果、平均時給は約1,050円でした。
正社員に比べると、明らかに給料は低いといえるでしょう。
・なぜ非常勤は給料が低いのか?
非常勤の給料が低い原因は、登録ヘルパーの月収が不安定だからです。
介護労働実態調査では、月収が10万円以下と答えた登録ヘルパーの割合が8割を超えています。
好きな時間に働けるとはいえ、現実問題は思うように働けていないというのが事実のようです。
口コミからも、以下のような意見が多く見られました。
入院、入所、死去などで、仕事の内容、時間、量、場所などが不安定。
潤沢に仕事があると言われ登録したが、キャンセル等で思うように収入が得られない。
少しでも給料を安定させたいのであれば、常勤として働いたほうがよいでしょう。
登録ヘルパーの時給そのものは高い
「給料が不安定」という問題とは別に、時給そのものは比較的高くなっています。
求人情報によると、身体介護が約1,400円~2,000円、生活援助が約1,200円~1,500円と高時給です。
しかし、これらはいわゆる実働時間の時給となります。
自宅から利用者の家に向かうまでの時間や、利用者宅の間の移動時間は、移動手当てとして換算されるケースが多いです。
そのため、実際には4時間近く外出していたとしても、時給2000円の身体介護を2時間提供しただけなのであれば、「時給1000円と同じ」ということになるでしょう。
▼登録ヘルパーの移動時間に関する記事は、こちらもご参考ください。
>>登録ヘルパーの移動時間問題!労働と認められる条件を徹底解説
2.訪問介護の全国平均給料を地域ごとに比較
では、地域ごとの訪問介護の給料はどのようになっているのでしょうか。
ここからは、みーつけあが独自調査した結果に基づいて、地域ごとの平均給料を紹介します。
年収を比較してみると、全国で250万円〜300万円の差がありました。
時給に関しても、各地域によって大きな差が確認できています。
さらに細かく、都道府県ごとの平均給料も比べていますので、自身の住んでいる地域の平均給料と比較してみてください。
北海道・東北地方の平均給料
北海道・東北地方の平均年収は250万円、時給は950円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的にかなり低めです。
また、時給に関しては宮城県のみ全国平均を上回っており、他の地域では100円ほど下回っていることがわかります。
甲信越・北陸地方の平均給与
甲信越・北陸地方の平均年収は280万円、時給は990円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的にやや低めです。
時給に関しては、長野県と富山県のみ水準が低くなっていますが、他の地域では平均値に近い結果となっています。
関東地方の平均給与
関東地方の平均年収は310万円、時給は1,060円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、主要都市は水準を満たしています。
時給に関しては、茨城県と栃木県のみ水準が低くなっていますが、他の地域では平均値に近い結果となっています。
東京都と神奈川県は、とくに時給が高いですね。
東海地方の平均給与
東海地方の平均年収は300万円、時給は1,030円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的にやや低めです。
時給に関しては、平均値に近い結果となっています。
関西地方の平均給与
関西地方の平均年収は295万円、時給は1,030円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的にやや低めです。
時給に関しては、奈良県と和歌山県のみ水準が低くなっていますが、他の地域では平均値に近い結果となっています。
四国地方の平均給与
四国地方の平均年収は270万円、時給は960円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的に低めです。
時給に関しても、全体的に水準が低くなっています。
中国地方の平均給与
中国地方の平均年収は270万円、時給は990円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的に低めです。
時給に関しては、広島県のみ平均値より高くなっていますが、他の地域はやや水準が低くなっています。
九州・沖縄地方の平均給与
九州・沖縄地方の平均年収は250万円、時給は950円です。
都道府県別に見ると、以下の結果となりました。
正社員の平均給料と比較すると、年収は全体的にかなり低めです。
時給に関しても、平均水準よりも全体的に低くなっています。
3.訪問介護の給料を上げる方法5選
「訪問介護の給料を上げるにはどうすればよいの?」と、給料を上げる方法が知りたい人もいるのではないでしょうか。
訪問介護は資格を取得したり、働く事業所をしっかりリサーチすることで、給料を底上げすることができます。
今回「みーつけあ」がピックアップした給料の底上げ方法は、以下の5つです。
- 上位資格を取得する
- サービス責任者になる
- より条件のよい事業所に転職する
- 登録型なら掛け持ちをする
- パート・アルバイトなら正社員を目指す
それぞれの方法について、詳しく紹介します。
方法1.上位資格を取得する
訪問介護員として働くためには、介護職員初任者研修を取得しなければいけません。
介護職員初任者研修とは、介護の基礎知識やスキルを習得することのできる資格です。
生活援助や通院介助であれば、介護資格がなくても提供できますが、身体介護サービスを提供するには必ず資格が必要となります。
また、資格を持っていることで資格手当がもらえるため、給料を底上げすることが可能です。
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、各資格別の平均給料は以下のようになります。
無資格 | 平均給料:月275,920円 |
介護職員初任者研修 | 平均給料:月301,210円 |
実務者研修 | 平均給料:月303,230円 |
介護福祉士 | 平均給料:月329,250円 |
このように、無資格と介護福祉士を比較すると、約5万5千円もの差が出てきます。
給料を底上げしたいのであれば、介護福祉士を目指しましょう。
▼資格の取り方については、以下の記事が参考になります。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
方法2.サービス責任者になる
サービス提供責任者は、ケアマネジャーや訪問介護員との連絡・調整を行う仕事です。
事業所の責任者という立場に立つことで、訪問介護員よりも給料アップが見込めるでしょう。
ただし、サービス提供責任者になるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 実務者研修を修了している
- 介護福祉士の資格を取得している
- 初任者研修を修了しており、実務経験が3年(540日)以上ある
実務経験が3年以上あれば、初任者研修のみでもサービス提供責任者にはなれます。しかし、現実的には求人として応募できるケースは少ないです。
そのため、サービス責任者を目指す場合は、実務者研修の取得をおすすめします。
方法3.より条件のよい事業所に転職する
現在勤めている事業所の給料に不満があるのであれば、より諸手当が充実してる事業所を探しましょう。
なぜなら、同じ地域で時給や基本給が大して変わらなくても、諸手当による違いが多いからです。
面接の際に、「諸手当はどのようになっていますか?」と積極的に確認することで、よりよい条件の事業所を見つけることができます。
方法4.登録型なら掛け持ちをする
登録ヘルパーとして給料を上げたいのであれば、掛け持ちをして時間効率を高めましょう。
1つの事業所だけで仕事をしていると、利用者さんが急な入院・入所・死亡してしまった場合に仕事がなくなってしまいます。
しかし、複数の事業所を掛け持つことで、急なキャンセルの穴埋めとして機能させることが可能です。
ただし、掛け持ちをする場合には、あらかじめ事業所に確認をしましょう。
事業所によっては、掛け持ちを許可していないケースがあるからです。
面接の時点で、正直に「私は○社でも登録をしています。掛け持ちは可能ですか?」と確認をすることで、トラブルを未然に防げます。
▼登録ヘルパーの掛け持ちに関する記事はこちらから。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
方法5.パート・アルバイトなら正社員を目指す
現在の給料に納得がいかないのであれば、正社員になることも1つの方法です。
パート・アルバイトに比べると時間に融通は効かなくなりますが、月収として安定した給料が見込めるでしょう。
家庭環境やライフスタイルに無理がないかを確認してから、正社員を目指してみてはいかがでしょうか。
▼関連記事として、こちらの記事も人気があります。
>>登録ヘルパーとパートの違いとは?働き方や時給の違いを徹底比較!
まとめ:希望に沿った働き方や事業所を見つけよう!
今回「みーつけあ」では、訪問介護の給料について雇用形態別、全国平均別データの集計結果とともに、給料を上げる方法についても紹介しました。
訪問介護の給料は、より上位の資格を取得して、キャリアアップを目指すことで底上げできます。
登録ヘルパーとして給料を上げたいのであれば、給料を安定させるために複数の事業所を掛け持ちするのもおすすめです。
これから就職・転職を検討していた人は、労働条件や待遇を確認して、自分の希望に沿った職場を探しましょう。