訪問介護員の1日の流れとは?給料や向いてる人についても紹介
「訪問介護員の1日の流れについて知りたい」
「給料はどれくらいもらえるの?向き不向きはある?」
訪問介護員として働いてみたい人にとっては、どのような働き方ができるのか気になりますよね。
訪問介護員は、雇用形態によって働き方が大きく変わります。そのため、自分のライフスタイルに合わせた働き方を見つけやすい仕事です。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護員の1日の流れについて、働き方別にシュミレーションをしてみました。
また、仕事内容や給料、向き不向きについても触れていきます。
訪問介護の1日の流れを理解して、自分にあった雇用形態を見つけましょう。
訪問介護員の1日の流れ|常勤の場合
まず始めに、常勤の訪問介護員の1日の流れを紹介します。
以下の表をご参考ください。
このように、常勤の訪問介護員はいわゆる定時出退勤内で、数件の高齢者の自宅を訪問します。
そのため、1日に訪問する件数は平均5件前後となるでしょう。
その後、事業所にて「介護記録、引継ぎ、明日の準備」などを行ってから退勤という流れが一般的です。
訪問介護員の1日の流れ|非常勤の場合
続いては、非常勤の訪問介護員の1日の流れについて紹介します。
非常勤ヘルパーは、ライフスタイルに合わせて好きな時間に働けるのが特徴です。
この記事では、「パート・アルバイトと登録ヘルパー」の2種類の働き方で1日の流れを比較します。
自分に合う働き方を見つけてみてください。
非常勤のパート・アルバイトの1日の流れ
非常勤のパート・アルバイトの1日の流れについて、2パターンほど紹介します。
【非常勤のパート・アルバイトの1日の流れ①】
1日に5時間だけ働きたい人の場合、以下のような1日の流れとなります。
【非常勤のパート・アルバイトの1日の流れ②】
もう少し長く働きたい場合は、以下のような1日の流れとなります。
このように、パート・アルバイトであれば、短時間のシフトを組むことが可能です。
登録ヘルパーの1日の流れ
続いては、登録ヘルパーの1日の流れを見ていきましょう。
登録ヘルパーは、働ける時間を指定して、その時間にマッチングした利用者がいれば、その時間にだけピンポイントで働けます。
また、自宅から利用者の家に直接向かい、訪問介護を終えたらそのまま帰れる「直行直帰」の働き方ができる点も特徴です。
いくつか働き方の例を比べてみます。
【登録ヘルパーの1日の流れ①】
まずは、子育てに忙しい主婦を例にシュミレーションしてみます。
このように、隙間時間で子供の送り迎え、家事をこなしつつ働くことができます。
【登録ヘルパーの1日の流れ②】
続いて、副業として訪問介護の仕事がしたいサラリーマンを例にシュミレーションしてみます。
このように、本職を退勤した後の副業として働くことも可能です。
自分のライフスタイルに合いそうな働き方は見つかったでしょうか。
次章より、訪問介護員の仕事についても触れていきます。
訪問介護員の仕事内容について
「訪問介護員の身体介護や生活援助って、どのような仕事内容なのだろう?」と、疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。
訪問介護員の仕事は、大きく分けて以下の3種類に分類されます。
- 身体介護
- 生活援助
- 通院介助
仕事内容によって、提供する介護サービスの内容はさまざまです。
それぞれ順番に見ていきましょう。
仕事1.身体介護
「身体介護」は、利用者の体に直接触れて行う介護の仕事です。
主な仕事内容として、以下が挙げられます。
- 利用者の安否確認・健康チェック
- 排泄介助(トイレ同行やおむつ交換)
- 食事介助(流動食などの専門的調理など)
- 入浴介助(清拭や洗髪、全身浴など)
- 更衣介助
- 体位変換
- 移動・移乗介助
- 外出介助
- 服薬介助
- 常時介助できる状態での見守り援助 など
利用者のADL(日常生活動作能力)や、意欲向上のために行う介助が中心です。
また、専門的な介護資格を取得することで、「たんの吸引・経管栄養」といった医療行為を提供できるようになります。
仕事2.生活援助
「生活援助」は、利用者に直接触れない範囲で、日常生活を支援する仕事です。
主な仕事内容として、以下が挙げられます。
- 利用者の安否確認・健康チェック
- 掃除(居室やトイレの掃除、ゴミ出しなど)
- 洗濯(乾燥、取り入れ、アイロンがけも含む)
- ベッドメイク(シーツ交換、布団カバーの交換など)
- 衣類の整理・補修
- 一般的な調理(配膳や片付けを含む)
- 日用品の買い物代行(内容・釣り銭の確認も含む)
- 薬の受け取り など
生活援助で支援できるのは、利用者が日常生活を送るうえで最低限必要なサポートのみです。
「庭の手入れ、ペットの世話」など、利用者の生活に直接関係のない頼み事は引き受けることができません。
サービス3.通院介助
「通院介助」は、訪問介護員が自ら運転する車で、利用者を病院まで送り迎えする仕事です。
送り迎えだけではなく、車への乗降車介助や、移動介助も仕事内容に含まれます。
ただし、病院内への付き添いはできません。病院のスタッフが対応できない場合に限り、訪問介護員が介助を行うことは可能です。
これらの判断は、都道府県や市町村によっても異なります。詳しくは、事業所の指示に従いましょう。
訪問介護員の給料はいくら?
では、訪問介護員の給料はどれくらいなのでしょうか。
訪問介護員は、常勤・非常勤ヘルパーで給料が大きく異なります。
厚生労働省の資料「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、正社員(月給・常勤)の給料は「287,880円〜325,550円」です。
年収としてみると、約345万円〜390万円になり、諸手当を除いた基本給は、「月182,260円」です。
正社員は月収として手取り額が決まっているため、比較的に収入が安定しているといえるでしょう。
一方、非常勤(パート・アルバイト・登録ヘルパー)の給料は「112,500円」です。
年収としてみると、135万円となります。
正社員に比べると、給料は低めといえるでしょう。
また、みーつけあが独自に調査した結果、2021年10月の平均時給は約1,050円でした。
登録ヘルパーは月収が不安定
非常勤の給料が低い原因は、登録ヘルパーの月収が不安定だからです。
介護労働実態調査では、月収が10万円以下と答えた登録ヘルパーの割合が8割を超えています。
好きな時間に働けるとはいえ、現実問題は思うように働けていないというのが事実のようです。
少しでも給料を安定させたいのであれば、常勤ヘルパーとして働いたほうがよいでしょう。
▼登録ヘルパーとパートの違いに関しては、以下の記事が参考になります。
>>登録ヘルパーとパートの違いとは?働き方や時給の違いを徹底比較!
訪問介護員に向いてる人とは?
「訪問介護員として働きたいけど、どのような人が向いてるの?」
このような疑問を、抱いている人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、以下の項目に当てはまる人は訪問介護員に向いてる人といえるでしょう。
- 臨機応変に考えられる人
- 責任感が強い人
- 判断能力が高い人
- 一人ひとりと向き合える人
- 細かい変化に気づける人
- 健康で体力がある人
- 失敗を恐れない人
- 人が好きな人
訪問介護の仕事は、利用者と1対1で介護を行わなければなりません。
つまり、他人の家でも臨機応変に柔軟な対応ができて、一人ひとりの利用者の介護に責任を持てる人が向いています。
当然、業務中に不慮の事故や失敗をすることもあるでしょう。
そのような状況でも、冷静に「次は失敗を活かして上手くやろう」と前向きになれなければ、仕事は長続きしません。
訪問介護員に向いていない人の特徴
訪問介護員に向いていない人の特徴としては、以下の項目が挙げられます。
- イライラしやすい人
- 仕事が適当な人
- 責任感がない人
- 効率重視な人
- 他人と触れ合うことが嫌いな人
とくに、イライラしやすい人は認知症の利用者からの暴言に耐えられず、カッとなってしまいやすいでしょう。
また、効率重視な人は仕事ペースを重視するあまり、思いやりが欠けてしまう場合があります。
多くの利用者は、訪問介護員の人柄にも敏感です。仕事と割り切ることも大事ですが、心から「役に立ちたい」と思えなければ、辛い仕事となってしまうかもしれません。
訪問介護員の1日の流れに関するQ&A
最後に、訪問介護員の1日の流れに関する疑問や質問に答えていきます。
今回ピックアップしたのは、以下の3つです。
- デイサービスの1日の流れが知りたい
- 訪問介護員になるには資格が必要?
- 訪問介護に夜勤や残業はある?
それぞれの疑問を解決して、より訪問介護員の仕事について理解を深めましょう。
Q1.デイサービスの1日の流れが知りたい
A.デイサービスの1日の流れは、以下のとおりです。
基本的には、デイサービスのスタッフが利用者の自宅まで送り迎えを行います。
そして、施設内にてレクリエーションや機能訓練サービスなどを提供するのが仕事です。
Q2.訪問介護員になるには資格が必要?
A.無資格でも勤務可能ですが、仕事が限られるため資格の取得をおすすめします。
無資格の場合、生活援助と通院介助は行なえます。しかし、専門知識と技術が求められる身体介護を行うことができません。
利用者によっては、生活援助と身体介護をセットで行うことも多く、生活援助のみしか提供できないと仕事量は大幅に減ってしまいます。
・介護職員初任者研修の取得を目指そう!
訪問介護員として働くのであれば、まずは介護職員初任者研修を取得しましょう。
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識やスキルを学べる入門資格です。
さらにキャリアアップを目指したいのであれば、「実務者研修、介護福祉士」といった資格を取得することも目標になります。
▼「資格について詳しく知りたい」という人は、いかの記事を参考にしてください。
>>介護ヘルパーの資格の取り方について|費用や年齢制限は?
Q3.訪問介護に夜勤や残業はある?
A.夜勤を希望するなら、夜間対応型訪問介護を探しましょう。残業は、雇用形態によって異なります。
夜間対応型の訪問介護事業所であれば、深夜帯、早朝などの勤務が可能です。
残業に関しては、公益財団法人介護労働安定センターの「平成30年度介護労働実態調査」より、以下のようなデータがあります。
- 訪問介護員の1週間の平均残業時間:0.9時間
- 常勤ヘルパーの1週間の平均残業時間:1.7時間
- 非常勤ヘルパーの1週間の平均残業時間:0.3時間
また、サービス責任者の場合、1週間の平均残業時間は2.9時間とさらに長くなっていました。
役職や雇用形態によって異なるということを覚えておきましょう。
まとめ:自分にあった働き方を見つけよう
訪問介護は、働き方によって1日の流れが異なります。
安定した給料がほしいのであれば、正社員やパート・アルバイトとして定時出勤で働くとよいでしょう。
空き時間を利用して働きたいのであれば、登録ヘルパーをおすすめします。ただし、給料は不安定なので、複数の事業所を掛け持つといった工夫が必要です。
以下の記事もご参考ください。
>>登録ヘルパーは掛け持ちしても良い?掛け持ちをする3つのメリットとは
臨機応変に、責任感をもって仕事がしたい人は、ぜひ訪問介護員として働いてみてはいかがでしょうか。