訪問介護は稼げない?高時給を活かして稼げるようになる方法
「訪問介護は稼げないと耳にするけど、実際はどうなの?」
「稼げないと言われる理由や、稼げる方法を知りたい」
このような疑問を感じていませんか。
訪問介護の求人情報を見ていると「短時間勤務も可能」や「空いた時間に稼げる」といった内容をよく見かけます。
一見すると、すきま時間で稼げるのであれば魅力的な仕事のように思えますが、イメージしていた働き方とは違うと感じる人も少なくありません。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護が稼げないといわれる理由や、稼げるようになる工夫について紹介します。
訪問介護について理解したうえで、給料アップを狙いましょう。
1.訪問介護の時給は平均より高い!
「訪問介護は稼げない」といったイメージを、持ってはいないでしょうか。
しかし、訪問介護の時給は、介護施設に比べて高いです。
2019年の賃金構造基本統計調査を、表にまとめたデータを確認してみましょう。
訪問介護員の時給 | 1,445円 |
福祉施設介護員の時給 | 1,137円 |
時給の差(訪問介護-福祉施設介護員) | 318円 |
表のとおり、訪問介護員の時給が、福祉施設介護員よりも318円高い結果となりました。
訪問介護の時給が平均より高い理由は、主に以下の2つです。
- 訪問介護の移動時間は時給に含まれていない
- 利用者と1対1で負担が大きい
1日拘束されている割には、介護を提供している時間しか給料が発生していないうえに、施設と違って1人で対応しなければいけません。
精神的な部分で負担が大きく、介護職の中でも時給が高い仕事となっています。
ここで意識したいのが、時給が高いのにも関わらず、訪問介護は一般的に稼げないイメージを持たれている点です。
まずは、稼げないと言われている理由を明らかにしていきましょう。
2.訪問介護が稼げないといわれる理由は?
介護施設と比べて訪問介護の時給は高いはずなのに、なぜ「稼げない」という言葉を耳にするのでしょうか。
稼げないと言われる理由には、以下の4つがあります。
- 希望した時間に仕事がない
- 利用者さんの都合でキャンセルされる
- 事業所によっては移動時間が時給計算されない
- 支援内容で時給の内容が異なる
1つずつ確認していきましょう。
理由1.希望した時間に仕事がない
訪問介護では、希望した時間帯に仕事がない場合があります。
訪問介護は「すきま時間で働ける」や「短時間でも働ける」といった情報を見かけるので、好きなときに好きなだけ働けそうなイメージがあるかもしれません。
しかし、午前中の9時〜12時の3時間で働くと決めていたのに、その時間帯に希望する利用者さんが1人だけで、利用時間は1時間だったとしましょう。
これでは、3時間のうち1時間しか働けず、残りは空き時間になってしまいます。
つまり、働きたい時間に利用者さんが介護サービスを希望するとは限らないため、稼げないと感じてしまうわけです。
理由2.利用者さんの都合でキャンセルされる
訪問介護では、利用者さんの体調不良や入院などの理由で、仕事がキャンセルになる可能性もあります。
キャンセル自体は仕方がないですが、収入面を考えると空き時間が増えてしまうことに不安を感じてしまうでしょう。
また、空いた時間に、別の利用者さんの訪問介護が入るとも限りません。
どれだけ時間があったとしても、働ける時間帯で都合良く埋まることは少ないのです。
こうした背景から、希望した時間に仕事がなく、キャンセルによって安定しにくい状態ができてしまいます。
理由3.事業所によっては移動時間が時給計算されない
訪問介護は、サービスを提供した時間が時給になります。
そのため、移動時間は時給に含まれず、移動回数が多いほど稼ぎにくいです。
事業所によっては移動時間も時給が発生するケースもありますが、移動時間が長くなりすぎると、時間が無駄に感じてしまうでしょう。
移動時間を無駄にしたくないのであれば、移動費を出してくれる事業所を探してみてください。
理由4.支援内容で時給の内容が異なる
支援内容で時給が異なることも、稼げない要因となります。
訪問介護の支援内容は、大きく分けて以下の2種類です。
- 身体介護…身体に直接触れて援助する
- 生活援助…身の回りのお世話をする
身体介護は、生活援助に比べて介護報酬が高く、時給もそれに応じて上がります。
時給は事業所によって異なりますが、身体介護と生活援助での時給の違いは以下のとおりです。
- 身体介護…1,500円
- 生活援助…1,200円
つまり、生活援助の仕事ばかりでは、身体介護を請け負っている人に比べて稼げないと感じてしまいます。
3.訪問介護の稼げないから卒業!給料アップの方法を確認
前章の内容から、訪問介護が稼げないと言われている理由を把握できたのではないでしょうか。
「訪問介護で稼げるようになりたい」と考えているのなら、以下3つの方法を試してみてください。
- 掛け持ちをする
- 資格を取得する
- 時給が高い事業所を探す
それぞれ、稼げない理由を解決するための方法となっています。
「今のままでは稼げない」と感じているなら、実行してみましょう。
1つずつ、解説していきます。
方法1.掛け持ちをする
まずは、掛け持ちできる事業所を探して複数に登録しましょう。
大きな事業所であれば、たくさんの利用者を抱えているかもしれません。
しかし、小さい事業所であれば、利用者さんの数が限られてしまいます。
そのため、たくさんの利用者を担当するなら、掛け持ちが効果的です。
たとえば、1件でも多く訪問したいのであれば、掛け持ちした事業所で近場の利用者さんの担当にしてもらえるか聞いてみてください。
ただし、掛け持ちは無断でしてはいけません。
就業規則で、ダブルワークを禁止している事業所もありますので、注意しましょう。
このように、掛け持ちによるタブルワークで訪問介護を続けると、移動時間を減らして訪問先を増やせるので、稼ぎやすい状態を作れます。
方法2.資格を取得する
資格を取得するのも、訪問介護で稼げるようになるための1つの方法です。
たとえば、訪問介護で取得すべき上位資格には以下のような種類があります。
- 介護職員実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
まずは、介護職員初任者研修の1つ上位である「介護職員初任者研修」の取得を目指して、着実にスキルアップを目指していきましょう。
上位資格を取得すると、資格手当が付いたり、仕事の選択肢が広がったりと、訪問介護で対応できる業務の幅が広がります。
さらに経験を積み、サービス責任者やケアマネジャーになれば、時給も上がって稼げない状態から徐々に抜け出せるはずです。
いま持っている資格よりも、さらに知識や経験が必要な上位資格の取得を目指しましょう。
方法3.時給が高い事業所を探す
訪問介護の事業所は数多くあるので、少しでも時給の高いところを探しましょう。
時給が高い事業所に所属できれば、それだけ給料が高くなります。
事業所を探すときは、福利厚生まで調べておくと、長く働きやすくなるためお得です。
ちなみに、時間に融通が効くのであれば、早朝や深夜、夜間も対応している事業所を選ぶのも1つの手段です。
時間外であれば、介護料金に時間外手当や深夜手当などが加算されているので、時給も日中より高く稼ぎやすくなります。
このように、1つずつ工夫をすれば稼げるようになるので、諦めずに給料アップを目指しましょう。
▼収入アップに関する記事はこちらから
>>介護ヘルパーの給料相場はいくら?収入を上げる方法や介護報酬改定も解説!
4.訪問介護を稼げない以外の理由で辞めるケース
訪問介護員のなかには、稼げないという理由以外でも、離職してしまう人がいます。
もしあなたが、これから訪問介護員を目指そうとしているなら、給料面以外に仕事を続けられなくなる理由がないかを、念のため確認しておきましょう。
訪問介護を稼げない以外の理由で辞めるケースは、主に以下の5つです。
- 介護のリスクが高い
- いきたくない訪問先がある
- 理想と現実のギャップ
- 人間関係の悩み
- キャリアアップのため
事前に辞めた理由を知っておけば、実際に自分の身に起きたときに、うまく気持ちを切り替えられるかもしれません。
訪問介護を辞めた理由を、1つずつチェックしていきましょう。
理由1.介護のリスクが高い
利用者さんと1対1で関わる訪問介護では、介護のリスクが高いことを負担に感じて辞めてしまう人がいます。
訪問時に利用者さんの身に何かが起こった場合、1人で適切に判断するというのは、思いのほか責任が重くのしかかってくるものです。
たとえば、以下のようなイレギュラーがあります。
- 事故や不注意で利用者さんにケガを負わせてしまった
- 訪問時に利用者さんが倒れていた
- 利用者さんとの間でトラブルが発生した
その場で迅速な判断をしなければ、利用者さんの命に関わる可能性もあるため、判断力と決断力がカギとなります。
このように、自分の判断1つで利用者さんや家族に迷惑をかけるかもしれないというプレッシャーに耐えきれず、辞めてしまう人もいるのです。
理由2.行きたくない訪問先がある
訪問介護は利用者さんだけでなく、ご家族とも関わりがあります。
細かい指示を出してきたり、まるで家政婦のような扱いをしてくるご家族がいる訪問先には、行きたくないと思ってしまうでしょう。
もし、訪問先のことで悩みを抱えているのであれば、1人で悩まずに事業所に相談してみてください。
情報共有をして解決策を一緒に考えたり、2人体制で訪問をしたり、ケアマネジャーに相談をするなどの対策を取りましょう。
それでも行きたくないのであれば、担当を変わってもらうのも1つの手段です。
理由3.理想と現実のギャップ
「利用者さんのために尽くせば、感謝をしてもらえる」と思っている人は、理想と現実のギャップで辞めたくなるかもしれません。
なぜなら、「お金を払って来てもらっているのだから、介護をして当然!」という態度をとる利用者さんもいるからです。
横暴な態度を取られると、理想と現実のギャップを受け入れられずに、精神的に負担を感じることもあります。
理想と現実とのギャップを埋めるためには、訪問介護に対するマイナスなイメージも想定しておきましょう。
理由4.人間関係の悩み
人間関係の悩みは、訪問介護の現場でも辞める原因の1つになります。
訪問介護は、利用者さんやご家族だけでなく、ケアマネジャーや事業所の職員とも関わらなければいけません。
普段はほかの職員と関わる機会が少ないので、気軽に相談できる相手がいない可能性もあります。
そのまま1人で抱え込まずに、悩みを聞いてもらえる相手を探しておきましょう。
職場の人に限らず、家族や友達に頼るのも1つの手段です。
理由5.キャリアアップのため
キャリアアップのために、訪問介護員を辞める人もいます。
この理由で辞める人は、「訪問介護だけではスキルや経験を充分に活かせない」と感じることが多いようです。
上位資格を取得するためには、介護施設での経験や知識も重要になってきます。
そのため、資格を活かしてケアマネジャーや介護福祉士として活躍したいのであれば、資格の勉強は不可欠です。
しかし、訪問介護は仕事が不規則なので、「決まった時間に勉強がしづらい」と感じてしまう人もいるでしょう。
他の施設を経験したい人や資格取得の勉強がしたい人は、将来を見据えて辞めてしまうということです。
▼訪問介護を辞めたい理由に関する記事は、こちらも参考になります。
>>登録ヘルパーを辞めたい理由まとめ|辞める前に考えるべきこと
5.訪問介護に向いている人
ここまで、訪問介護を辞めてしまう理由について解説してきました。
しかし、訪問介護が向いていて「働くのが楽しい」と感じる人がいるのも事実です。
たとえば、訪問介護に向いている人の特徴として、以下の5つがあります。
- 利用者さんに寄り添える人
- 臨機応変に対応できる人
- 失敗を恐れない人
- 責任感が強い人
- 健康で体力に自信のある人
1対1の介護はリスクが高いです。しかし、その分利用者さんと時間をかけて関われる仕事なので、コミュニケーションによってやりがいを感じられる人には訪問介護が向いています。
また、失敗を恐れずに責任感を持った行動をできると、不測の事態にも臨機応変に対応できるでしょう。
そして、体力に自信があれば、訪問介護の仕事を掛け持ちしたり、夜間の仕事をしたりすることで、大きく稼げる可能性が生まれます。
どれか1つでも当てはまれば、訪問介護は天職かもしれません。
当てはまった人はぜひ、訪問介護の仕事に挑戦してみましょう。
▼関連記事はこちらから
>>訪問介護に向いている人の特徴について解説!
訪問介護が稼げないと考えたときによくある質問
最後に、訪問介護が稼げないと感じている人の疑問を解決しておきましょう。
Q&A形式で解答していきますので、稼げるようになる答えがないか確認してみてください。
訪問介護が稼げないと考えている人が抱く、よくある質問は以下の3つです。
- 訪問介護は1日何件くらい回ってる?
- 訪問介護で夜勤の仕事はある?
- 時給と日給ではどちらが稼げる?
それぞれ、回答していきます。
Q1.訪問介護は1日何件くらい回ってる?
A.人によって回る件数は違います。
事業所によって利用者さんの数が違うので、一概には言えません。
しかし、一般的な勤務時間である8時〜18時の間で回れる件数は、移動や休憩を考えると平均5〜6件という人が多いです。
Q2.訪問介護で夜勤の仕事はある?
A.事業所によっては、夜勤対応をしているところもあります。
基本は8時〜18時の勤務時間ですが、夜勤や夜間、早朝といった形で24時間対応している事業所があるため、夜勤の仕事も可能です。
勤務時間外の対応なので、料金は加算されて時給も上がります。
そのため、「ガッツリ稼ぎたい」と考えているのであれば、24時間対応の事業を探してみてください。
Q3.時給制と日給制ではどちらが稼げる?
A.訪問介護で日給制は、ほとんどありません。
日給にしてしまうと、介護士の仕事に対する責任感が低下するためです。
安定して稼ぎたいのであれば、月給制の正社員を目指しましょう。
▼正社員の給料に関しては、以下の記事をご参考ください。
>>訪問ヘルパーの正社員は稼げる?働き方や給料について
まとめ:訪問介護は工夫すれば稼げる!
訪問介護は、好きな時間に働けて、短時間勤務が可能な仕事です。
ただし、希望した時間に必ず働けるわけではありません。
理想と現実のギャップから、思ったよりも稼げないと感じてしまう人が多いことも現状です。
しかし、掛け持ちをしたり、資格を取得したり、時給が高い事業所を選ぶなどの工夫をすれば、稼げるようになるでしょう。
また、訪問介護は利用者との1対1の関わりで、やりがいを感じやすい仕事です。
その分、介護のリスクもありますが、責任感を持って仕事できる人にとって、訪問介護は楽しく稼げる仕事となるかもしれません。
少しでも魅力に感じたなら、訪問介護の仕事に携わってみてはいかがでしょうか。