訪問介護は1日何件回る?件数に応じた給料や1日の流れの例も紹介!
「訪問介護をしている人は1日何件回っているの?」
「どんなスケジュールで、どのくらい稼げるのか知りたい」
訪問介護は、1日に何件もの利用者さんの自宅へ行き、介護サービスを提供する仕事です。
移動や休憩などの時間も含めたうえで、1日の訪問件数が組まれています。
そこで今回「みーつけあ」では、訪問介護員が1日に何件回るのか、平均件数や訪問介護職員の1日の流れも踏まえて具体的に解説します。
訪問介護の実態を理解して、働いたときに1件でも多く回れる工夫をしましょう。
1.訪問介護は1日何件回れる?
結論からいうと、訪問介護ヘルパーが1日に回れる件数は、人によって違います。
次の訪問先までにかかる時間や距離、勤務時間によって、回れる件数に差が出てくるからです。
正社員と、パートとして働く場合で件数の違いを確認していきましょう。
- 正社員の場合1日の平均件数は5〜6件
- パートの場合は2〜4件と減りやすい
それぞれの理由解説します。
(1)正社員の場合1日の平均件数は5〜6件
正社員であれば、サービス提供と移動、休憩などの時間を考えると、1日の訪問件数は5〜6件です。
訪問介護は利用者さんの自宅へ訪問するため、1件ずつ移動時間がかかってしまいます。
平均より1件でも多く回りたいのであれば、移動手段や距離も重要です。
徒歩や自転車であれば、移動範囲が限られるうえ、移動時間もかかるので訪問件数を増やすのは難しいでしょう。
一方で、バイクや車であれば、移動距離が長くても短時間で移動ができるので、たくさん回れる可能性があります。
平均件数よりも多く回りたいのであれば、移動手段を工夫しましょう。
(2)パートの場合は2~4件と減りやすい
正社員は1日5〜6件回れるのに対して、パートは2〜4件と減りやすい傾向にあります。
なぜなら、単純に勤務時間が短いからです。
短時間勤務であれば移動や休憩の時間を含めると、正社員ほど多くの訪問は難しくなります。
しかし、勤務時間を伸ばせば、正社員のように5〜6件ほど回ることも可能です。
たくさん回りたいのであれば、事業所に相談しましょう。
2.訪問介護の件数に応じた給料例を確認
訪問件数が変わると、給料はどのくらいの差が出てくるのか確認していきましょう。
今回の例の時給は、以下のとおりです。
- 身体介護:時給2,000
- 生活援助:時給1,700
※時給は各事業所で違います。
【給料例1】
サービス内容や件数は、以下のとおりです。
- サービス内容:身体介護
- 時間:各サービス1時間
- 件数:1日3件×週5回=15件
金額 | |
1日 | 2,000(時給)×3(件数)=6,000 |
週間 | 6,000(日給)×5(週)=30,000 |
月間 | 30,000(1週間)×4(週)=120,000 |
給料 | 120,000円 |
この場合、1ヶ月の給料は120,000円です。
【給料例2】
サービス内容や件数は、以下のとおりです。
- サービス内容:生活援助
- 時間:各サービス1時間
- 件数:1日5件×週4回=20件
金額 | |
1日 | 1,700(時給)×5(件数)=8,500 |
週間 | 8,500(日給)×4(週)=34,000 |
月間 | 34,000(1週間)×4(週)=136,000 |
給料 | 136,000円 |
この場合、1ヶ月の給料は136,000円です。
【給料例3】
サービス内容や件数は、以下のとおりです。
- サービス内容:身体介護+生活援助
- 時間:各サービス1時間
- 件数:(身体介護1日3件+生活援助1日2件)×週5回=25件
金額 | |
1日 | 2,000(時給)×3(件数)=6,000 1,700(時給)×2(件数)=3,400 6,000(身体介護)+3,400(生活援助)=9,400 |
週間 | 9,400(日給)×5(週)=47,000 |
月間 | 47,000(1週間)×4(週)=188,000 |
給料 | 188,000円 |
この場合、1ヶ月の給料は188,000円です。
今回計算したのは基本給のみの内容でしたが、資格手当や移動手当などを付与してくれる事業所もあります。
求人サイトをチェックする際には、時給以外にも手当が付くのかをチェックしておきましょう。
3.訪問介護の平均勤務時間
訪問介護の平均勤務時間は、8時〜18時です。
しかし、時間外の訪問介護サービスを行っている事業所もあります。
時間外サービスなので単位数が割増になる分、時給も高くなり、もらえる給料は増えるでしょう。
時間外サービスは、以下のとおりです。
種類 | 時間帯 | 単位数 |
---|---|---|
夜間 | 18:00〜22:00まで | 所定単位数の25% |
深夜 | 22:00〜翌6:00まで | 所定単位数の50% |
早朝 | 6:00〜8:00まで | 所定単位数の25% |
夜中や朝方でも働けるのであれば、時間外サービスを提供している事業所を選ぶと給料アップへの近道となるでしょう。
4.訪問介護の実態は?1日の流れを紹介
では、訪問介護を行っている人の1日のスケジュールを確認していきましょう。
あくまでも一例ですが、参考にしてください。
時間 | 内容 |
---|---|
8:00 | 出社 |
8:15〜8:30 | 移動 |
8:30〜9:45 | Aさん宅へ身体介護と生活援助 |
9:45〜10:00 | 移動 |
10:00〜11:00 | Bさん宅へ身体介護 |
11:00〜11:15 | 移動 |
11:15〜12:00 | Cさん宅へ生活援助 |
12:00〜12:15 | 移動 |
12:15〜13:15 | 休憩 |
13:15〜13:45 | 移動 |
13:45〜14:45 | Dさん宅へ身体介護 |
14:45〜15:15 | 移動 |
15:15〜16:15 | Eさん宅へ身体介護 |
16:15〜17:00 | 帰社して記録や引き継ぎ後に帰宅 |
このように移動時間が15分〜30分以内であれば、1日に5件ほど回ることは可能です。
多くの件数を担当するなら、移動時間が30分以内に収まるように調整してみましょう。
5.訪問介護で1日に何件も担当しているのに稼げない理由
「1日に何件も担当しているのに、意外と稼げない」と感じる人も少なくありません。
何件も回っているのに稼げない理由としては、以下のような原因が考えられます。
- 移動時間が長い
- そもそも時給が低い
- 生活援助ばかり受けている
「勤務時間は長いはずなのに稼げない」と感じているのであれば、これら3つのどれかが原因かもしれません。
1つずつ解説するので、チェックしていきましょう。
理由1.移動時間が長い
訪問介護の移動時間は時給に含まれないので、移動時間が長いと稼げません。
移動時間が長くなってしまう理由は、1件1件の家までの距離が長いか、効率の悪い回り方をしてしまっているからなどの理由が考えられます。
訪問ルートをもう1度確認して、効率が悪いと感じるのであれば事業所に相談しましょう。
理由2.そもそも時給が低い
たくさんの件数を回っていても、時給が低ければ思うようには稼げません。
訪問介護は、サービス提供をしている時間しか時給が発生していないので、時給が低いと給料に響いてしまいます。
時給は事業所によって変わるので、仕事を探す際に求人サイトで時給を比較して選んでください。
時給以外にも、資格や移動の手当がある事業所を選ぶと、効率よく稼げるようになるでしょう。
理由3.生活援助ばかり受けている
事業所によって異なりますが、身体介護と生活援助には時給に300円ほどの違いがあります。
- 身体介護の時給…1,500円
- 生活援助の時給…1,200円
そのため、時給が低い生活援助ばかり担当していると、件数が多くても稼げない状態になってしまうかもしれません。
たとえば、生活援助ばかり受けているなら、登録している事業所に、「身体介護を優先的に担当したい」と希望を伝えてみましょう。
積極的に身体介護の業務を引き受ければ、同じ件数でも給料の底上げが期待できるはずです。
▼給料アップに関しては、以下の記事もご参考ください。
>>訪問介護ヘルパーは年収が低い!?給料の相場や給料アップの方法を紹介
訪問介護で1日の件数が気になる人のよくある質問
最後に、訪問介護で1日に回る件数が気になっている人が感じる疑問に答えていきます。
- 訪問件数は回数を増やせば稼げるようになる?
- 訪問介護は体力がないと大変?
- 空き時間ができたら有効活用できる?
それぞれ、訪問介護の1日の件数に関連した質問です。
ぜひチェックしてみてください。
Q1.訪問介護は回数を増やせば稼げるようになる?
A.1日に回れる件数を増やせば、その分だけ稼げるようになります。
ただし、回数を増やしたいと思っていても、サービス提供や移動、休憩の時間を考えると、回れる件数に限界があります。
件数を増やすだけでなく、時給の高さや手当が充実した事業所を選ぶようにしましょう。
Q2.訪問介護は体力がないと大変?
A.体力があるに越したことはありません。
仕事量は事業所と相談して調節ができるので、体力がなくても問題ありません。
しかし、身体介護といった利用者さんの体を直接支える仕事が続くと、足腰が疲れてしまう可能性があります。
その場合は、空き時間を作ってもらうといった工夫をしてもらえるように、サービス提供責任者や事業所に相談してみてください。
Q3.空き時間ができたら有効活用できる?
A.登録ヘルパーであれば、空き時間を有効活用できます。
訪問介護は、「正社員、パート・アルバイト、登録ヘルパー」といった雇用形態があります。
利用者に介護サービスを提供している間のみ時給が発生する登録ヘルパーであれば、空き時間は自由に活用して問題ありません。
自宅に帰って、家の用事を済ませることもできます。
帰宅できるほど時間がないのであれば、読書や買い物、ネットショッピング、カフェで休憩するなど、有意義な時間を楽しみましょう。
▼登録ヘルパーの働き方について知りたい人は、以下の記事をご参考ください。
>>通勤時間に縛られない登録ヘルパーの働き方|メリットやデメリットについて
まとめ:訪問介護は効率良く回れば件数を増やせる
訪問介護で回れる平均件数は、1日5〜6件です。
しかし、もっと多く回りたいのであれば、訪問先までの移動距離を短くしたり、移動時間を短縮したりできれば、効率よく回れるでしょう。
そのためには、徒歩や自転車ではなく、バイクや車を利用すれば広範囲の訪問先を回れるので、積極的に利用してください。
ただし、件数を多く回れば稼げるわけではありません。
時給や手当なども含めて、1番稼げる方法を見つけてみましょう。